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第474回 1日1杯のワインがバレット食道リスクを低下
◆1日1杯のワインバレット食道リスクを低下

 ワインを1日1杯飲むと、食道癌(がん)の前兆であるバレット食道(Barrett’s
esophagus)のリスクが低下する可能性が示された。バレット食道は酸の逆流により食道が回復不可能な損傷を受けることによって生じるもので、人口の約5%にみられる。この症状のある人は、食道癌の一種である食道腺癌の発症リスクが30~40倍とされている。

 米カイザーパーマネンテKaiser Permanente医療プラン(カリフォルニア州)の研究員、Douglas A.Corley博士らによる今回の研究では、北カリフォルニアの男女953人を
対象に調査を実施。1日に1杯以上の赤ワインまたは白ワインを飲む人は、バレット食道の発症率が56%低いことが判明した。ビールや蒸留酒ではリスクの低下はみられず、またワインの摂取量が増えても予防効果の増大はみられなかった。

 この研究は、医学誌「Gastroenterology(消化器病学)」3月号に掲載された。同じ号に掲載された2研究でも同様の結果が得られている。オーストラリアの研究ではワインを飲む人の腺癌発症率が低いことが示され、アイルランドの研究では、ワインを飲むと食道炎のリスクが低下することがわかった。ワインがバレット食道リスクを低下させる理由は不明だが、抗酸化物質の効果によるものか、ワインを飲む人は一緒に食物を摂取することが多いため、アルコールを単独で飲んだ場合に比べて食道組織の損傷が軽減されるためと考えられるという。

 今回のワインに関する研究は、バレット食道および腹部肥満と食事との関連を調べる大規模研究の一環として実施された。この研究では、果物や野菜を1日に8サービング(※編集注=生野菜の場合は8カップ分、果物の場合は中程度リンゴ8個分に相当)摂取し、標準体重を維持することが、バレット食道のリスク軽減に有効であることもわかっている。「赤ワインが心臓によいことはすでに知られているが、健康的な生活習慣と1日1杯のワインの利点が新たに示された」と、研究を率いたカイザーパーマネンテのDouglas A.Corley博士は述べている。

(HealthDay News 3月2日)
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[2009/03/21 08:36 ] | 医学 | コメント(1) | トラックバック(0)
第473回 「あきらめない姿、見て」 1型糖尿病の岩田稔投手 WBC、侍ジャパン支え
◆「あきらめない姿、見て」 1型糖尿病岩田稔投手 WBC、侍ジャパン支え
2009年3月9日 提供:共同通信社

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の「侍ジャパン」に、相手チームだけでなく、1型糖尿病とも闘う左投手がいる。阪神タイガースの岩田稔(いわた・みのる)選手(25)。今も1日4回のインスリン注射を続ける。全国の1型糖尿病患者は推定5万-10万人。「あきらめずに頑張れば何でもできる」。7日夜は第2戦。同じ病気を抱える子どもらをマウンドでのプレーで励ますつもりだ。

 大阪桐蔭高校の野球部時代、ウイルス感染がもとで1型糖尿病を発症。1型は、肥満など生活習慣が原因の「2型糖尿病」とは違い、インスリン注射で普通の生活を送ることができるが、完治できる治療法はまだない。

 社会人野球チームから採用を断られ野球をやめようと思ったが、家族や友人の支えで関西大に進学。2005年、阪神に入団。昨年、初勝利を挙げ10勝した。178センチ、85キロ。最速150キロの直球とカーブが武器。投手の球数制限があるWBCでは"生命線"とされるリリーフを担う。

 1型糖尿病の研究を助成する基金を設立している患者団体「日本IDDMネットワーク」(事務局・佐賀市)。昨年12月、患者の子どもたちを集めて名古屋市で開いたクリスマス会に岩田投手の姿があった。この日は自身の闘病体験を交え、子どもたちの質問に一つ一つ答えた。

 シーズン中、患者の子どもたちを甲子園に招いたこともある岩田投手。以前から親交があったネットワークの井上龍夫(いのうえ・たつお)理事長(56)に「子どもたちのために何かしたい」と常々語っていた。今春、自主トレ中の沖縄県で「シーズン中、1勝するごとに10万円を寄付したい」と表明した。今シーズンの目標は15勝だ。

 「1型糖尿病の選手でもこれだけ活躍できる、と世界にアピールしてほしい」。井上さんは登板を心待ちにしている。

▽1型糖尿病

 1型糖尿病 IDDM、インスリン依存型糖尿病とも言われ、自己免疫によって起こる。血糖を下げる作用を持つ必須ホルモンであるインスリンを体内で作れなくなってしまう病気。現在、完治のための効果的な治療法はなく、生涯にわたり血糖測定をしながら毎日数回のインスリン自己注射またはポンプによるインスリン注入を続けることが必要。糖尿病患者の99%を占める2型(成人型)とは原因も治療法の考え方も異なる。1988-89年、巨人で計21勝を上げたガリクソン投手も1型だった。
[2009/03/21 08:33 ] | 医学 | コメント(0) | トラックバック(0)
第472回 乳製品とCaの摂取が大腸がんに保護的作用
乳製品とCaの摂取が大腸がんに保護的作用

 乳製品とカルシウム(Ca)の摂取が消化器がん,特に大腸がんのリスク低下と関係するようだと,米国立がん研究所(NCI)などのグループがArchives of Internal Medicine の2月23日号に発表した。

 乳製品とCaの摂取はがんの部位によって異なる作用をしているという仮説があるが,エビデンスは限られ,また一致していない。さらに,がん全体への影響も明らかにされていない。

 今回の報告は米国立衛生研究所(NIH)と旧米国退職者協会(AARP)のDiet and
Health Studyに基づくもので,乳製品およびCa摂取とがん(全体および部位別)との関係を検討した。乳製品および食品とサプリメントからのCa摂取を食物摂取頻度質問票により評価し,がん発症例を州のがん登録で確認した。

 平均7年間の追跡で,男性の3万6,965例と女性の1万6,605例にがんの発症が認められた。解析の結果,Ca摂取は男性の全がんのリスク低下とは関係していなかった。しかし,女性では1日約1,300mgまでのCa摂取は全がんのリスク低下と関係し,それ以上の摂取はリスク低下にはつながらないという非線形の関係を示した。

 乳製品とCa摂取は男女ともに消化器がんの発症と負の相関があり,乳製品を含む総Ca摂取量の最低五分位と比較した最高五分位の多変量相対リスクは男性が0.84,女性が0.77であった。このリスク低下は特に大腸がんで著しかった。また,サプリメントによるCa摂取においても,大腸がんリスクと負の相関が認められた。

Park Y, et al. Arch Intern Med 2009; 169: 391-401.
[2009/03/21 08:26 ] | 医学 | コメント(0) | トラックバック(0)
第471回 キノコとがんリスク
キノコがんリスク
Behind the headlines
Mushrooms and cancer risk
Wednesday March 18 2009
http://www.nhs.uk/news/2009/03March/Pages/Cancerprotectionfrommushrooms.aspx

「毎日キノコを食べると乳がんリスクが2/3に減らせるかも」とThe Daily Telegraphが報道した。報道によれば2000人以上の中国人女性での研究で、毎日1/3オンス以上の生鮮キノコを食べる女性の乳がん発症率は64%でキノコと緑茶だと90%もリスクが減る。新聞に依れば研究者は「キノコがんを抑制することを証明したわけではなく結果を確認するにはさらなる研究が必要だ」と言っている。

この研究には多くの限界があり、キノコや緑茶だけが乳がんに影響するのではないため、研究者の注意深い結論は賢明である。また中国人女性の乳がんリスクは西洋諸国より低いことにも注意する必要がある。がんを予防する単一の「スーパーフード」が発見されることはありそうにない。女性はキノコを含む健康的でバランスのとれた食生活を目指すべきである。

食品安全情報blog
[2009/03/21 08:24 ] | 医学 | コメント(0) | トラックバック(0)
第470回 無用な健康食品への支出に歯止め EUの新規制に期待
◆無用な健康食品への支出に歯止め EUの新規制に期待

〔ロンドン〕グラスゴー大学(グラスゴー)人間栄養学のMichael Lean教授は「世界中の肥満者は,減量効果を"示唆"しているが実際には全く効果のない食品に,毎年,数十億ポンドを浪費している」とBMJ の論評(2008; 337:
a2408)で警鐘を鳴らしている。

根拠のない表示は違法

 Lean教授は「昨年,英国で採択された欧州連合(EU)の新しい商慣行に関する規制によって,無防備な消費者が疾患と闘うために効果が期待できない健康食品サプリメントを買うことがようやくなくなると期待している」と述べている。

 健康効果をうたった市販の食品は,医薬品のような厳しい研究試験を経ておらず,規制も受けていないため,消費者の混乱を招いている。食品の組成または栄養機能に関する根拠のない表示は違法とされる。例えば,「低脂肪,高繊維でコレステロール低下に役立つ」などの表示や,食品が肥満を含め,なんらかの疾患を治療または予防できるという誤解を招く表示は違法である。

 しかし,根拠のない効果を示唆する表示は今なお存在する。パッケージの商品名や商品棚,店名などにおいて,根拠なしに体重管理や減量に有効であることを示唆したり,「健康食品」であることをうたい,誤解を招く販売方法はよく見られる。

 同教授は,肥満者が減量に役立たない製品に毎年数十億ポンドを浪費していることを懸念している。2000年の米国の調査では減量目的の商品に約350億ドルが費やされており,それらの多くには根拠のない誤った表示がなされていたという。

 同教授は「無防備な患者に対する偽の治療法を通じた商業的搾取は,新しいEUの規制で幕を閉じると期待している」と述べている。その一方で,「医師や消費者がエビデンスに基づいた治療と食事プログラムによって自信を持って疾患管理ができるよう,法整備を積極的に進めることが重要である」としている。

 同教授は,減量効果を示す製品や治療法は数多くあるが,実際に安全で効果が認められ,費用効果の高いものは食事療法(エネルギー制限食)と運動,医薬品のorlistatやシブトラミン,一部の患者に対する肥満手術のみであると指摘している。さらに,同教授は「今回の規制では,EU諸国における高カロリー製品の販売促進広告が禁止される。このことは,肥満の予防対策としても有効と考えられる」と付け加えている。
[2009/03/21 08:16 ] | 医学 | コメント(0) | トラックバック(0)
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