◆メタボリックシンドロームが血圧の食塩感受性を高める
メタボリックシンドロームの存在が血圧の食塩感受性亢進と関係することを示すデータが,米国と中国の共同研究グループによりLancet の3月7日号に発表された。
同グループは,糖尿病のない16歳以上の中国人1,906例にまず低ナトリウム(Na)食(51.3mmol/日)を7日間,次いで高Na食(307.8mmol/日)を7日間摂取させ,メタボリックシンドロームと血圧の食塩感受性との関係を検討した。
腹部肥満,血圧高値,トリグリセライド高値,HDLコレステロール低値,血糖高値のうち3つ以上該当する場合をメタボリックシンドローム,低Na食中の平均動脈圧の5mmHg以上の低下または高Na食中の5mmHg以上の上昇を高食塩感受性とした。
完全な情報が得られた1,881例のうち,283例がメタボリックシンドロームと判定された。1,853例が低Na食を,1,845例が高Na食を完了した。
解析の結果,多変量補正後の血圧の平均変化は,低および高Na食のいずれにおいてもメタボリックシンドロームを有する群で有意に大きかった(P<0.0001)。さらに,食塩感受性の亢進リスクはメタボリックシンドロームの危険因子の数と相関した。危険因子がない群と比べ,4~5つの危険因子を有する群の高食塩感受性のオッズ比は低Na食で3.54,高Na食で3.13であった。
Chen J, et al. Lancet 2009; 373: 829-835.
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