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第476回 高齢者の骨粗鬆症による骨折で5~10年の死亡リスクが増加
◆高齢者の骨粗鬆症による骨折で5~10年の死亡リスクが増加

〔シカゴ〕聖ビンセント病院Garvan医学研究所(オーストラリア・シドニー)骨・ミネラル研究プログラムのDana Bliuc氏らは,骨粗鬆症による低外傷性骨折を起こした60歳以上の高齢
者では,一般人口と比べてその後5~10年間の死亡リスクが増加し,別の骨折が発生した場合にはその後5年間の死亡リスクがさらに増加するとJAMA(2009; 301: 513-521)に発表した。

重度の骨折では全年齢層でリスクが増加

 骨粗鬆症性骨折は,高齢化に伴い発生率の増加が見込まれるため先進国,発展途上国を問わず公衆衛生上の問題としてその深刻さを増している。しかし,初回骨粗鬆症性骨折またはそれに続く別の部位における骨折発生後の長期死亡リスクに関するデータは限られている。

 Bliuc氏らは,さまざまな年齢群の男女を対象に,すべてのタイプの骨粗鬆症性骨折発生後の18年間における長期死亡リスクと骨折再発および死亡リスクの関連性を調べた。

 1989年4月~2007年5月に,シドニーの北西約300kmのダボに居住する60歳以上の4,005例(女性2,245例,男性1,760例)を対象に調査した。女性では952件の低外傷性骨折後に461件の死亡が生じ,男性は343件の骨折が発生し,197例が死亡した。

 一般人口と比べて,股関節骨折と椎骨骨折,重度の骨折では骨折後5年間,すべての年齢群において死亡リスクの増加が認められた。一方,軽度の骨折では死亡リスクの増加は75歳以上に限られていた。5年以降,死亡リスクは低下したが,股関節骨折関連の死亡率は引き続き10年間高かった。10年後の死亡率は年齢を一致させた人口群と差がなかった。

股関節・椎骨以外の骨折にも注意

 肋骨骨折に代表される股関節と椎骨以外の骨折は,この種の研究では通常調査されることはないが,今回調査を行った結果,骨折のほぼ50%を股関節と椎骨以外の骨折が占めていただけでなく,若年死の29%と関連していた。死亡リスクは経年的に減少したが,のちに発生した別の骨折はその後5年間における死亡リスクを3~4倍増加させた。これらの知見を考えると,股関節と椎骨以外の骨折に対しても,今後いっそうの注意を払うべきであることが明らかになった。

 あらゆる脆弱性骨折後の死亡予測因子は,男女ともに年齢,大腿四頭筋の衰弱,後発骨折などであったが,合併症は含まれなかった。女性では低骨密度と喫煙歴,男性では運動不足も予測因子であった。

 Bliuc氏らは「骨折は死亡リスク増加を予測するシグナル事象である。骨折と死亡に共通する危険因子,つまり骨密度の低下などが背景にあるのかどうか(女性には当てはまると見られる),あるいは骨折イベントを引き起こした要因自体,つまり大腿四頭筋の衰弱,身体活動性の低下などが関連しているのかどうか(男性には当てはまると見られる)については,今後さらに検討が必要である。全体的に,今回の研究ではあらゆる種類の骨折と関係する一般人口より早い死亡に注目したが,特に高齢男女の全年齢群における骨折再発後の早期死亡に注目した」と結論付けている。
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[2009/03/27 08:24 ] | 医学 | コメント(0) | トラックバック(0)
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